Q&Aコーナー
ここには、教会に関するQ&Aです。 牧師の中村が答えます。 他人には聞きにくい、素朴な疑問など、遠慮せずにメールでお送りください。m(..)m 「わからないことは誰かに聞く」をモットーに、調べて答えようと思っています。一度書いたあとでも、知識が増した り修正させられたときは、書き加えたり書き換えたりもします。(^^ゞ
Q1.教会の1F会議室の窓ガラスに貼っていた、「CHANUKAH」という文字は何でしたか?
A1.あれは、ヘブル語で「ハヌカー」と読みます。 「ハヌカー」は、ユダヤ教の祭りの一つで、宮清め祭、光の祭、ともし火の祭、奉献の祭、マカベアの祭などといくつもの名で呼ばれる祭です。 ユダヤ暦では、第9キスレブ月25日から第十テヴェト月2日(西暦でいうと、たぶん1 2月25日)までの祭です。冬至の季節と考えられます。 歴史: アレクサンダー大王死後、ユダヤはシリアのセレウコス王朝とエジプトのプトレマイオス王朝の間に政治的独立を得ていたが、BC3世紀末に、セレウコス王朝の支配下となり、アンティオコス4世セオス・エピファネスはヘレニズム化を推進し、ユダヤ人にギリシア神崇拝を強要し、軍隊の強大な力によって圧政し、ユダヤ教を根絶しようとしました。 BC167年にユダヤのハスモン家の祭司マタテヤはモディインで5人の息子(ヨハナン、シムオン、ユダ、エレアザル、ヨナタン)とともに、セレウコス王朝に挑戦し、第3子ユダ(別名マカベヤ、マカバイ)が後継者となり、BC165年に、エルサレムと神殿を奪回した際、1日分の油で8日間燃え続けた燭台の奇跡にちなんで、8本の燭台(ハヌキヤ)に毎夜ひとつずつ火を灯し、8日間続ける希望と喚起の祭り。「光の祭」とも言われる。さらに、神殿をきよめたことを記念する意味では「宮清め祭」として始められました。神殿からギリシア神を追放し、ユダヤ教を復活奉納させたからです。 ハヌカーで使用する燭台はローソク8本タイプです(これに対して、イスラエルを象徴する燭台?メノラーの場合は7本)。 この日、ユダヤ教のシナゴーグ(会堂)では、ハレル(詩篇113?118篇)を歌います。 家庭では、スフガニヤ(ポテト菓子)を食べ、ユダヤの英雄が高揚されます。 新約聖書では、ヨハネ10:22に「そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。」と、記されているのみです。(ギリシヤ語の名称では、「エンカイニア」。口語訳では「宮清め」でした) ハヌカーはキリスト教の祭ではありませんが、アドベントの季節でもあり、 わたしたちの心の中から異教的なものを除き去って、神の子イエス・キリストを迎える準備をするとき、と考えるのもよいでしょう。
Q2.「イエスキリスト」のことを「ジーザス」っていいますよね!その理由(わけ)を教えてください。
A2.「イエス」は日本語読みで、「ジーザス」は英語読みだからです。 なんて言っても、許してもらえそうにないので、少し書きましょう。 イエスの名は、ヘブル語のイェーシューア(救い)、または、イェホーシューア(主は救い)をギリシヤ語化したもので、ユダヤ人の間で一般に用いられていた個人名です。元はといえば、旧約の指導者の一人であるヨシュア (ホセアも同じです)という名なのです。 ギリシア語では、「イエスース」と、発音します。アルファベットで書くと、「IESOUS」です。英語読みだと、「JESUS ジーザス」になる のです。日本でもカトリックの人々は「イエズス」と呼びます。 フランス人は「H」の発音ができないというでしょう。それぞれ発音し易さとか、しにくさがあるのです。 そう言えば、イスラエルの首都はエルサレムといいますが、英語読みではジェルサレム(JERUSALEM)ですね。エリコの町はジェリコですし。ほかにも、いろいろありそうですね。
Q3.クリスマスシーズンって、いつからいつまでなのですか?
A3.待降節から公現日までです。 クリスマスを待つ「待降節?アドベント」は、11月26日の次に来る日曜日から始まる4週間です。2004年の場合は、11月28日が最初の日曜日でしたから、11月28日?24日までが「アドベント」になります。意味は「待つ」ということです。でも、最初から4週間だったのではなく、9週間だったのです。この期間は卵や肉、乳製品などを食べないというガマンの期間だったので、この長さが多くの信者に嫌われるようになり、4週間に短縮されたのだそうです。 25日がクリスマスで、「8日目にイエスと名付けた」とルカ2章21節に記されているので、1月1日が「命名日 ・イエスが割礼を受けた日」となりました。(25日から数え始めてください)ついで、1月6日は「公現日?エピファニー」つまり、東方から来た占星術の学者たちがベツレヘムの馬小屋でイエス・キリストに会ってひれ伏したのが、この日ということになっています。ですから、クリスマスシーズンは1月6日までとしています。クリスマス ツリーなどのデコレーションは、この日まで飾ることになります。 クリスマスの日そのものについても異論はあって、ギリシャ正教会は、1 月6日をキリスト生誕日としています。 イエスさまの誕生日は、5,6月頃という説もありますが、「クリスマス」は、イエス・キリストの誕生日ではないのです。「クリスマス」とは、教会の礼拝において、イエス・キリスト誕生に関係する聖書を読む日なのです。礼拝する日のことなのです。クリスマス→キリスト・ミサから来ています。 ドイツ語では「ヴァイナハト(聖なる夜)」、フランス語では「ノエル(良い知らせ)」、スペイン語では「ナヴィダド(誕生)」といいます。 「クリスマス」の意味が、キリストを礼拝するということですから、毎週礼拝している わたしたちにとっては「毎日曜日がクリスマス」とも言えるのです。(^_-)
Q4.「レント」って何ですか?
A4.英語でLent と書きます。意味は「四旬節」もしくは「受難節」です。 復活日(イースター)前の6つの日曜日を除いた40日の期間を呼びます。 「四旬」とは、「上旬、中旬、下旬」とひと月を3つに分ける数え方をご存じかと思いますが、その「旬」で、10日を表します。で、40日のことになります。日曜日をのぞくのは毎日曜日がクリスマスだから です。 レントの始まりは2世紀頃と いわれます。 期間が40日なのは、レントが出エジプトの苦難の40年間、あるいはイエス・キリストの荒野における40日の断食にならって、信仰者が節食、節欲、克己に励み、十字架の苦しみの幾ばくかを味わうためです。 レントの期間の典礼色は「紫」です。 マリアの洞窟にかざられたレントの十字架 写真をクリックすると少し大きくなります(準備中) 当教会の階段中腹にある「マリアの洞窟」にかざられた、十字架と紫の布2001 by kobayashi
Q5.迫害者サウロが悔い改めたパウロはローマ 教皇の「パウロ○○世」のパウロと歴史的(?)関係があるのですか?
A5.信仰的関係だけはあるということができます。 使徒パウロと元ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世のことですね。両者とも名前に「パウロ」がつくだけで、血縁関係は全くありません。また、法王の名前には常に「パウロ」がつくということもありません。 現在は、ベネディクト16世(2005年4月19日?)それでもこの「パウロ」は、あの「パウロ」ゆかりの名前と言えます。 カトリック教会からすると、法王の権威は十二弟子の代表といえる「ペトロ」に与えられた主イエスの言葉を継承しているものです。(マタイ16:13-20。特に16節「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。…」など)頭に手を置いて信仰の継承をする「按手(あんしゅ)」において、ペトロから代々受け継がれて今日に 至っているとの、強い確信がそこにあります。(新共同訳聖書ではペトロ。口語訳聖書ではペテロと訳されています) わたしたちプロテスタント教会は、そんな考えも蹴ったので、ペトロに与えられた主の言葉を信仰的に継承していると考えています。(牧師になるときには、先輩の牧師たちから必ず「按手」を受けます。)
Q6.チャーチとチャペルはどう違うのでしょうか?
A 6.「チャーチ」は教会、「チャペル」は附属礼拝堂と考えてください。 わたしが子どもの頃は、ツタが絡まっているのが「チャペル」だと思っていました。(^^ゞ 「チャペル」は学校・修道院・病院・お城などの建物に附属する礼拝堂で、貴族の館に私的な祈祷所として建てたケースもあります。(ヨーロッパでは私有地に建てて 、そこで祈りを捧げていました。自分の土地に自分のお金で建てるものですから、誰がどんなチャペルを建てようとOKなのです) 「チャーチ」は教会なのですが、本来は建物のことではなくて、そこに集まる人々のことを指していました。今では、建物を教会なんて言ってしまいますけど。 わたしは建物を指すときは意識して「教会堂」と呼んでいます。 さらに、教会においても、大きな礼拝堂の他に小礼拝堂がある場合、小礼拝堂を「チャペル」と呼ぶこともあります。当教会は小教会ですが、1Fに小礼拝堂があるので、これを「チャペル」と呼 んでいます。 ちなみに、楽器を使わずに人間の声だけで歌う技法を「アカペラ」と呼びますが、正確には「ア・カペラ」になります。「カペラ」は「チャペル」なので、「ア・カペラ」は「修道院風に」という意味になります。修道院で歌っていた歌い方で歌うという意味になります。
Q7.アーメンってどういう意味ですか?
A 7.「本当です」という意味のギリシア語です。お祈りのあとに付けたり、礼拝で歌う讃美歌の最後に付けたりします。 「アーメン、そーめん、冷やそうめん」なんて、からかう人もいましたが、アーメンは麺類ではありません。 この祈りや賛美(これも中身は祈りなんです)は真実ですという意味になるのですが、ときどきわがままな祈りや見栄の祈りをしたり、いい加減に賛美したりするので、 わたしは、祈るわたしたちのことではなく、祈りや賛美の対象である、神さまは真実です。という意味に考えています。英語だと「エーメン」と言ったりします。
Q8.「讃美歌」と「聖歌」には何か違いがあるのですか?
A8.それぞれともに、商品名です。出版社が異なります。 「讃美歌」のように、言べんが賛につくものは、日本基督教団讃美歌委員会が出版している商品名で、他社はその名称を使うことが出来ません。 「聖歌」は、日本福音連盟の出版です。「聖歌」そのものは古い名前なので、誰でも使うことが出来ます。 版権の問題がありますので、所有者の許可を得て載せることになります。ちなみに、2003年12月に出版された「新聖歌」には「讃美歌」から何曲も転載していますが、数百万円を支払ったといわれます。 「賛歌」(カトリック系)、「賛美歌」「聖歌」(プロテスタント系)、なんて大ざっぱに分けることも出来ますが、中身はともに「礼拝において神を賛美する歌」が基本です。 ローマ・カトリック教会にも「聖歌」はあります。ラテン語による典礼聖歌として「グレゴリオ聖歌」が有名です。ローマ教皇(グレゴリウス1世)のイタリア名が「グレゴリオ」で、ラテン語で「聖歌」のことを「カントゥルム」と言います。古い歴史があるのでそのままで使います。
Q9.よく絵画やイラストなんかで目にするのですが、十字架のイエスの頭のへんに、『INRI』とあるのを目にするのですが、これは何を示しているのですか?
A9.これは、ヨハネ19:19?22に出てくる「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」という言葉です。 「INRI」はラテン語の次の言葉の頭文字をとったものです。 IESUS イエス NAZARENES ナザレの REX 王 IUDAEORUM ユダヤ人の 日本聖書神学校の後輩の藤崎三牧先生から教えてもらいました。m(..)m
Q12. この文字の意味は何ですか?
A12.これは、「イエス・キリスト神の子救い主」という意味を表す言葉です。 「ΙΧΘΥΣ」はギリシア語で、意味は「さかな(魚)」です。読みは、イクスースです。しかし、教会ではギリシャ語の次の言葉の頭文字をとって作ったものなのです。 Ι:イエス(イエスース) Χ: キリスト(クリストス) Θ:神(テオス) Υ:子(ヒュオス) Σ:救い主(ソーテール) ローマ帝国支配の時代に、キリスト教徒が激しい迫害を受けていた頃、作られたと言われます。普通に読めば、「さかな」なのですが、同じキリスト者同士にあっては、この文字は「イエス・キリストこそ神の子救い主です」という信仰告白になっていたのです。 ときどき、車のトランクなどにこのステッカーを貼っている方がいます。まず、キリスト者でしょう。
Q13.せいしょはだれがつくったのですか?
A13.せいしょを つくったのは むかしの きょうかいのひとたちです。 せいしょの なかの きゅうやく は かみさまを しんじている ユダヤじんが つくりました しんやく は かみさまを しんじている きりすときょうかいのひとたちが つくりました いまから 1600ねんぐらいまえ の きょうかいのひとたちが きゅうやくと しんやくを あわせて 「せいしょ」 に したのです
Q1 4.洗礼名と名付け親について教えてください。
A14.洗礼を受けて新しい人となった方の信仰生活を指導し支える役目の人が「名付け親」です。 洗礼名を付けることはカトリック教会でなされますが、プロテスタント教会でもいたします。 基本は、聖書に出てくる人たちの名前を付けて、その人の成長のために祝福を願うのです。(嬰児洗礼?えいじせんれい) 名付け親は、英語で「God father」と言います。どこかで聞いた言葉でしょ。
Q15.クリスマスに飾られる「ジオラマ」について教えてください。
A15.「クリブ」と言います その他「クレブ」「マンジャー」とも言われます。意味は「小屋」です。 馬小屋を舞台にして、ヨセフ、マリア、イエス、天使たち、動物たち、羊飼いたち、学者たちがジオラマ風に配置されます。 始まりは、1200年頃、アシジの聖フランチェスコがエルサレムを訪問したときに見た聖誕劇に感動して、修道院に戻って置物として作らせたものです。 木製、陶器製、紙製などさまざまに作られていて、だれでも購入することができます。 海外旅行などで見かけたら、おみやげに買ってくるのも良いかと。
教会について 礼拝について キリスト教一般について はじめての方へ戻る