ギザのピラミッド

 カイロの南西13qに、古王国第4王朝の三大ピラミッド(クフ、カウラー、メンカウラー)、6つの小ピラミッド、マスタバ墳(第4、5王朝の貴族)がある。フランス人マリエットによって発掘された。

 最大のクフ王ピラミッドは、辺230メートル高さ140メートル、傾斜51度。石灰石で覆われている。現在の入り口は、9世紀にアル・マムーンの掘った北面盗堀口である。大回廊、女王の部屋、王の玄室がある。壁穴は肉体の生命力「カー」の通路であると言われる。吉村作治ら早稲田大学古代エジプト調査隊が新しい室を発見している。

 ピラミッドは別名「カーの家」と言い、神である王が、死後、復活するための永遠の家となるものであり、死後の肉体の生命力「カー」の休息場であるとされた。王は死後、オシリス神となって復活し、天界にあって、下界の人間を守護すると考えられた。王が復活したときに困らないように、多くのものを奉納した。

 カウラー王のピラミッドは高さにおいてクフ王のものよりも高く、143メートルある。

 メンカウラー王のピラミッドは最も小さく、66メートルである。

 2000年になって、NHKテレビのリポートで、ピラミッド造りの真の目的は「公共事業」だった、という説が出された。ナイル川の増水時に、水浸しとなって耕作ができなくなった農民を救済するために、造らせたもので、工人たちは奴隷ではなくて、一般民衆であった、というものです。1人の王がいくつものピラミッドを建てたことの理由もこれにあるとされている。