サンタ・カタリーナ山(2644メートル)

 写真の背景の山がサンタ・カタリーナ山。シナイ山よりも359メートル高い山で、聖カタリーナを記念して名付けられた。

 聖カタリーナは、AD294年アレクサンドリアで生まれた。哲学、修辞学、詩歌、音楽、数学、物理学、天文学、医学を非信教の学校で修得した。非信仰家庭の貴族の娘として育ち、やがて多くの求婚者が彼女の元に来るようになったという。シリアの修道士がイエスを伝えると、彼女は信仰に入った。カタリーナはバプテスマ名。

 4世紀にキリスト教に対する最大の迫害が起きたときも、カタリーナは信仰を堅く持ち続けたため、皇帝はカタリーナをとらえ、信仰を捨てさせるために50人もの説得役を遣わしたが、逆に説得させられてしまった。カタリーナは殉教することとなったが、皇帝の家族とローマ貴族をキリスト教に改宗させた。

 聖カタリーナ処刑後、カタリーナの遺体は失せ、伝説によると天使がシナイの最高山(サンタ・カタリーナ山)に運んだという。それが今の修道院の起名である。やがて、修道僧が夢に導かれて、山中でカタリーナの遺体を発見し、山からおろし、サンタ・カタリーナ修道院の金の棺に収めたが、棺から発する香りは現在の奇跡と呼ばれる。(私には香りは分からなかった)